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「支那そば しょうゆ ¥750+味玉 ¥100」@支那そば なかじまの写真平日 晴天 13:45 先客6名 後客2名

〝群馬県内 No.1〟の名声を欲しいままにしている名店がある。※平成31年2月現在

せっかく訪れた群馬県で、そんな店があるならばぜひ行ってみたいと思い初訪問を決意した。別目的で訪ねたラーメン店から徒歩圏内という事で移動を開始した。

車移動が当たり前の地域で、誰も歩いてある人などいない幹線道路を進むと、大きく屋号の書かれた日除け暖簾の掛かるこちらがあった。しかし、まだ前食から15分も経っておらず胃袋に余裕もない。強行突破を考えたが、店の前には大きなショッピングモールがあり時間をつぶすには絶好のロケーションだ。しかも本屋に併設されたカフェがあり、こちらで二時間半ほど本を読んだ後で改めて向かいの店に戻った。

昼ピークを過ぎていたので行列もなく、すんなりと入店。券売機はなく卓上メニューを見て口頭で注文、後払いシステムである。メニューは割とシンプルで支那そば、焼豚、ワンタンの組み合わせで構成されている。修行先の都内の有名店の系譜からすれば焼豚もワンタンも必須なのだが、全てを収めるほどのスペースが胃袋になく断念。味玉くらいならと思い切って追加を告げた。

カウンターだけの店内を見渡すと郊外店ならではの、ゆったりとした空間使いで広々としている。そんな店内をご主人を含めた三人体制で回している。厨房内で印象的なのは同じ型の茹で麺機が二台並んでいることだ。この時点では麺用とワンタン用かなと思っていたが、のちに理由が判明する事になる。

そんな厨房内のシステムを食い入るように見ていると着席して5分ほどで我が杯が到着した。胴には朱色のタコ唐草が描かれて、見立てには同色の刷毛目の描かれた高台丼の中の姿は、なんとも素朴な印象を受ける。奇をてらう事なく正統派な具材だけを揃えた容姿には、安心感が宿っている。落ち着いた色合いも、その理由のひとつだ。

まずはスープをひとくち。先陣を切ってくるものが表現できない程に見事なバランスが第一印象。穏やかな気配だけを残して喉の奥へと消えていく。豚や鶏の動物系スープが旨みの土台を築き、鰹節主体の魚介系スープが香りをプラスする。カエシも強く主張する事なくスープの輪郭を作り上げる。このバランスの良さの一因には非天然の旨味成分もあるが、味覚を麻痺させない程度なので微量に思える。香味油も量的には多く感じるが、しつこさのないサラリとした油分でサッパリとしたコクをスープに与えている。

ちょうど麺を食べようとした時に二つ並んだ茹で麺機のナゾが解けた。ひとしきり作業の終えた茹で麺機の鍋の湯を一気に捨てた。すると鍋底を丁寧に洗い流して水を張り、新たな湯を沸かし始めた。麺用とワンタン用の二台ではなく、二交代制のための二台だったのだ。たしかに麺もワンタンも同じ鍋で茹でられていた。この方法ならば茹で湯が濁る事もなく、沸騰を待つタイムロスもない。観客の熱を冷まさせない野外フェスのステージチェンジのようだ。

そんな手法で仕上げられた自家製の中細ストレート麺で、麺上げまで100秒ほど。テボやタイマーを使わず、自身の指先の感覚だけで麺上げのタイミングを計り平ザルで湯切りのスタイルは修行先と同じである。全粒粉のフスマ色が見られる麺肌には鮫肌のような細かい凹凸がありスープを持ち上げる。芯は残ってないがコシのある麺は、さすが小麦王国の上州を思わせる。麺肌に溶け出したグルテンと香味油が潤滑油となって数本だけを啜るも良し、束で啜ってもまた良しと口内へ与える刺激は様々と楽しめる。

具材はお待ちかねの赤耳焼豚が小ぶりながら厚切りで二枚。スタッフさんたちも「チャーシュー」とは言わず「ヤキブタ」と呼んでいる。広東式の吊るし焼き焼豚に使われているのは豚肩ロース。赤耳本来の旨味に差し込んだ脂身のコクを引き出すためだろう。口にするとそれが現実のものとなり口の中に旨みが満ちあふれる。下味の醤油の香ばしさと、焼き目に塗られた蜜ダレの甘みのマッチングは絶妙。流行りの低温調理チャーシューには全幅の信頼は置かないが、このタイプの赤耳焼豚には裏切られた事がない。私の趣向に合った焼豚に出会えたことを感謝する。

追加の味玉は平均的な薄味仕立てで熟成度は低め。好みからは少し離れた味玉だったがスープに浸して食べることで味気なさは解消された。

メンマは昔ながらのタイプで発酵臭を残した下処理に、少し濃いめのごま油の香りを効かせた味付けが懐かしい。噛めば染み出る香りと歯切れの良い食感が、アクセントとなってラーメン全体を引き締める。

薬味はシンプルな白ねぎの小口切り。繊細な切り口でシャキッとした食感が麺と絡みあって面白い。スープには香りを移して薬味としての使命を果たす。十字8切の海苔は透ける程に密度は粗いが、口溶けの良さは素晴らしいく香りも高い。

中盤から麺に戻るとスープを吸って膨らみ始めた頃合いで一体感が増していた。そのため麺の体積が増えてボリュームが増したので、連食の胃袋には多少堪えたが何とか完食できた。後半にはスープに強い旨味が出てきたので飲み干さずにレンゲを置いた。

店を後にして高崎駅までの帰り道を考えていると偶然にも空車のタクシーが流していた。ドライバーさんに曰く、この辺りでは空車のタクシーを見つけるのは珍しいとの事。幸運にも歩かずに帰路につけた。タクシーの車内で高崎のラーメン話になった時に聞いたラーメン店が気になったので、また近いうちにこの駅に降り立つだろうなと確信した一杯でした。

投稿 | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

呆れました!高崎まで拉麺食いにいったんかい?
呆れました!解説が細かすぎて、そこまで期待感高すぎますよ!
呆れました!また近い内にこちらに行くんですか?

昭和のBecky! | 2019年2月28日 00:48

気になる店があるので高崎には行きたいのですが、移動費用対効果が悪いので悩みます。

のらのら | 2019年2月28日 16:07

おそらく、くろ松の情報をお聞きになったのでは、と思いました。

不死身のてっちん♂ | 2019年3月27日 22:37

まさにそうなんです。

のらのら | 2019年3月28日 16:13