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「しょうゆラーメン ¥800+煮たまご ¥100」@中華蕎麦 あお木の写真平日 晴天 10:30 待ちなし 後待ち4名

〝Deep Blue 〟

昨日の〝青から青へ〟の連食が心残りで冒険心に火がついてしまった。二食目を食べ終えるとすぐ、こちらへの初訪問だけの為にホテルを予約していた。

本来なら店名に「青」が付けば、中野に本店を構えるラーメンブーム先駆けの有名店や、秋葉原の長岡生姜醤油ラーメンの人気店でもよかったのだが、そこよりもはるかに行ってみたいと思う店が群馬県にある事を思い出したのだ。

ここは以前からブックマークしていた店なのだが自宅からはかなり遠く、遠征の計画が何度も頓挫して先送りになっていた店なのだ。しかし今回は「青」つながりにかけて「あお」が店名に入るという、ゴリ押しと言われても仕方ない手段で初訪問を決めた。

となれば、自宅からだと日が昇る前から移動せねばならず、苦手な早起きを避ける為には前泊が絶対条件だと判断してホテルを予約したのだ。諸事情により高崎までは昨晩中に移動することが出来ずに、大宮での前泊となった。

初めての大宮の夜を満喫した後、名残惜しいがホテルに戻りベッドに入った。翌朝8時に起床して 9:01発 高崎行 アーバン号に乗り込むと1時間ほどで人生初の高崎駅に着いた。思った以上に立派な駅に驚いたのと、人通りの少なさには更に驚いた。車社会なのだろうか歩いているのは私くらいなものだ。ナビを片手に20分ほど歩いていると大きな日除け暖簾の掛かったこちらがあった。

自宅の一階を店舗にされた店先にある外待ち用の長椅子に座り先頭にて待機する。入口越しに見える店内では着々と開店の準備が進んでいる。なぜかこの時点で旨いラーメンを作る雰囲気を感じていた。開店5分前になると、近所の方と思われる人たちが列に続いた。

定刻になり奥様の案内で入店となる。券売機の中に限定メニューもあったが、初訪問なので醤油系と煮たまごを発券しカウンターに座る。セルフで麦茶を汲んで店内を見渡すと、ゆったりと広めの店内をご夫婦おふたりで切り盛りされている。清潔感のあるカウンターと、ピカピカの調理場が気持ち良い。奥には製麺室もあるので自家製麺のようだ。

そんな居心地の良い空間の中で待つこと5分で我が杯が到着した。ワンロット2杯の工程で生み出されたラーメンの姿は、屋号の入ったオリジナルの高台丼の中でキラキラと輝いている。それは鶏油がカウンター上のスポットライトを乱反射する眩しすぎる美しさだ。計算されたライティングの効果が出ている。

その美しさい姿に期待を寄せて、まずはスープをひとくち。見た目には多めの鶏油に思えたが唇から伝わるオイル分はサラリとしている。明らかな鶏ベースの香味油だが、地鶏特有の強いコクは抑えてあり受け入れやすい。初動で全開の旨さを表現するのではなく、尻上がりに旨みのピークへと向かっていくタイプのようなので最後の一滴まで楽しめそうな予感しかない。カエシも丸みがあり醤油の尖った輪郭を全く感じさせない。魚介の風味はしないので単調になりそうな事だけが心配だが、果たしてどうだろうか。

自家製の中細ストレート麺は、生麺の状態で見るとフスマの胚芽色が色濃く出ていた。打ち粉で薄化粧された美しい麺を、テボ式ゆで麺機に投入すると45秒と早いタイミングで麺上げせれた。それを見たときには低加水のポソ麺を想像したが、口に運んでみると思っていた麺とは全く違っていた。箸先からの感覚では軽いタッチの淡白な麺に思われたが、麺肌にはザラつきが見られるが、その凹凸からグルテンが溶け出した滑らかな口当たりに驚いた。歯応えも、たった45秒でグルテンを感じられるリッチな反発力を生んでいるのが不思議でならない。スープとの絡みは塩分よりも香りを主に持ち上げるので、麺を啜るたびに豊かな香りに満たさせるといった至福が幾度も訪れる。

具材はローストタイプの豚肩ロース焼豚。小ぶりではあるが、少しの脂身と赤身のバランスのとれた質の良い豚肉を使われている。その品質の良い肉質を活かすために薄味なので全体のバランスは崩さないが、物寂しくもあるのが本音だ。うす味志向なのに焼豚には力強さを求めてしまう悪い癖が出てしまった。しかし薄味と言っても豚肉の持つ獣臭さなどは全く感じないので、抵抗なく胃袋に収まっていった。

その焼豚の物寂しさを忘れさせてくれる具材がひとつあった。それが〝つくね〟の存在だった。本来は変化球な具材が好きではなく、今までも同じような具材を使われている店もあったが、こちらの〝つくね〟は、それらとは一線を画していた。私の中の見解では〝つくね〟と〝つみれ〟は別物であり、こちらの〝つくね〟も実際は、捏ねる(つくねる)が語源の作り方ではなく、摘み入れる(つみいれる)が語源の〝つみれ〟の方が正しいと思われる。汁物の中に摘み入れる〝つみれ〟は、汁物(スープ)に旨みを奪われるので具材として旨い〝つみれ〟に出会った事が一度もない。しかしこちらの〝つくね〟には鶏肉の旨みが十分に残っていて、さらには粗挽きの鶏ヤゲン軟骨の歯応えと青葱の風味が活きていた。脂が抜けたパサつきもなく、しっとりとした食感は具材の中で一番輝いていたかも知れない。

追加した煮たまごは、平たく言えば出汁の効いた半熟ゆで卵。スープの中で目立たないような控えめな味付けが計算されているが、これまた物足りなさを感じた。下茹での半熟加減は絶妙だが、優等生すぎる印象を受けた。

穂先メンマも上品な味付けで全体に寄り添うような仕上がり。根元から穂先への食感のグラデーションは素晴らしく、追加したいくらいのアクセントになっていた。

薬味の青ねぎは、ごく少量が添えてあったので少なさが気になった。しかし先ほどの〝つくね〟の青ねぎの香味があるので、物足りなさを感じない。スープがネギに支配されることなく旨みを全うしている。

全ての麺や具材を食べ終えてスープに戻ると、ようやく分かった事があった。具材の味が足りないのではなく、スープの旨みが深すぎるのだ。最初は単調な鶏スープにならないかと心配していたが、広がり深みともに立体感のあるスープはまさに

〝あおの深み〟だった。

気が付けば、丼の底が見えているほどに夢中で食べきっていた。遊び半分な思いで訪れた高崎だったが素晴らしいラーメンに出会えた。さすがは平均点が90点を越すだけの評価を受けているのが納得できた。

派手さはないが、無化調ならではの心地よい旨みの余韻を楽しみながら壁に掛かった絵を見ると T.AOKI と、ご主人のものと思われるサインが入っていた。この絵はご主人が描かれたものだと思うが、その芸術性の高さがラーメンの中やインテリアにも表れていると感心させられた一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

こちらがお口に合ったのであれば、また群馬にお越しの際は、ぜひ渋川市のいち林にもお立ち寄り下さい。

不死身のてっちん♂ | 2019年3月27日 22:39

是非にと考えてます。

のらのら | 2019年3月28日 16:11