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「チャーシュー麺 ¥700」@麺&cafe Coi.Coi.の写真平日 曇天 8:45 先客なし 後客1名

〝上州高崎 二泊三日ラーメンめぐり〟番外編 拡大版

今回の高崎遠征を始めた当初は一泊二日の予定で出発したはずだったが数々のアクシデントとトラブルや思いもよらぬラッキーが重なり、延泊を重ねて気が付けば本日は高崎ではなく伊勢崎のホテルで目が覚めた。つまりは三泊四日の長旅になってしまった。

昨夜は人生初の伊勢崎ナイトを楽しむ為に高崎を離れて乗り込んで来たので、利便性の良い伊勢崎駅周辺ではなく夜のネオン街近くのホテルを予約した。ホテルに着くと連日の高崎ナイトのせいで疲れがたまっていたようで、伊勢崎での夜ラーを断念してチェックインを済ませて一眠りに就いた。

一度も目が覚める事なく三時間ほど眠ると外の景色は夜のネオン街へと表情を変えていて、シャワーを浴びて身支度を整えると人生初の伊勢崎ナイトへと繰り出した。ホテルの目の前からすでに怪しい気配がプンプンと匂ってくる。全くと言っていい程に人通りのない道端には呼び込みのお兄さんが所々で待ち構えている。横を通りかかる度に淫らな世界への誘い文句を投げかけてくる。噂以上の怪しさには腰が引けるほどだったので、まずは腹ごしらえの為にホテルのフロントで聞いておいた居酒屋を目指して一目散に歩いて向かった。

とりあえずは乾いた喉の潤すために、最近は見かけなくなってきた大ジョッキの生ビールを飲み干すと太田の地酒 群馬泉の燗酒とアジのなめろうを追加して下準備を整える。酒もツマミも素晴らしい居酒屋だったが、カウンターでも喫煙できる愛煙家にはうれしくも私には残念な店だったので20分ほどで店を出た。

再びネオン街と言うほどは煌びやかではない通りへと戻ってくるとキャッチのお兄さんに声をかけられた。またもやハードな怪しい店への誘いだったので、軽めのG's BARはないのか聞いてみると案内所を紹介してくれた。案内所では優良そうな店を紹介されてOLスタイルのスーツ姿の女の子たちと日付が変わるまで盛り上がってしまった。

この伊勢崎を訪れた最大の目的は早朝から朝ラーが食べられると聞いていたコチラへの初訪問だったのだがホテルで目が覚めると、開店時間の午前7時現着を狙っていたのだが、とっくに過ぎて8時を回っていた。はしゃぎ過ぎた伊勢崎ナイトを反省しながら着替えを済ませてチェックアウトと共に調べておいたバスルートで店を目指す事にした。ホテルの目の前のバス停からコミュニティバスに乗ると200円で一日乗車券を受け取り5分ほど走ると最寄りの連取本町北バス停に着いた。これで帰りのバス代は要らない事を知り、得をしたと喜びながら店へと歩いて向かった。

3分ほど歩くと複数の飲食店が立ち並ぶ建物の中に白地に屋号の書かれたコチラの看板を見つけて近づいてみたが、暖簾や幟旗もない店先は営業しているのか分からずに不安がよぎる。恐る恐るさらに近寄ると、小さな黒板に営業中と書かれてあるのが読めたので安心して店頭まで歩み寄った。ラーメン屋らしからぬ外観ではあるが、カーテンで閉ざされたガラス越しの店内には製麺機が見られる。麺帯を巻き取っている作業が見られるので製麺の真っ最中のようだ。そんな光景に興奮しながら扉を開けて店内に入ってみる。

すると製麺室で作業中の女性店主さんらしき方から「カウンターへどうぞ」と声をかけられ、カウンターの一番奥の席に腰を下ろして卓上メニューから品定めを始める。すると突然に「こちらの席でお願いします」と入口近くの席へと強制移動を強いられる。カウンターへと言われたのでカウンター奥から詰めて座っただけなのに嫌そうな顔で対応されるのは良い気分ではないが、女性店主おひとりのワンオペなので店を守るためには強い気持ちがないとならないのだろうと自分に言い聞かせた。

早朝でも豊富なラインナップの中からメニューの下の方にあった醤油系の中のチャーシュー麺を告げると先払い方式でトレイに代金を入れるシステムだ。お釣りなどのお金をやりとりした後に手を洗わないのが気になったが、衛生面や接客を採点に反映させない方針なので心を鎮める為にセルフでお冷を汲んで店内観察をはじめる。

壮大なクラシックが流れる店内はオシャレと言うよりは研究室のような雰囲気があり、様々なジャンルのラーメンを生み出す設備が揃っている。そんな厨房機器の中でも特に珍しかったのがスープ炊き用のレンジが電磁式だった事で、スープ用としては初めて見たかもしれない。店主さんは調理と並行して、ロール状に巻かれた麺帯を包丁で裁断されている。その手際の良さは場数をこなしてないと達する事の出来ない領域へと昇華されていて、さらには同時にメンマの味付けもこなしながらのオペレーションは圧巻だった。そんな調理工程に見とれていると着席して7分ほどで我が杯が到着した。

その姿は川越めぐりで出会った超人気店である「頑者」と同じ白磁の高台丼に鳳凰の描かれた器の中で、とても700円とは思えない豪勢な景色を見せている。しかし価格設定も評価の対象としないので、さらに気持ちを落ち着かせてレンゲを手にとった。

まずは渋紙色のスープをひとくち。表層には豚背脂の脂片が散りばめられた霞みがかったスープにレンゲを沈めると、程よい香りが穏やかに漂ってきた。豚骨由来ではあるがクセのない香りに導かれるようにスープを口に含んでみると、動物系の香りに反して魚介系の風味が花開いた。特に煮干しの中でも上品でクセのない香味が口の中に広がった。その豚由来の動物系と煮干し主体の魚介系のバランスは、何一つとして尖った味覚のない個性を抑えた仕上がりとなっている。最大限に煮干しの旨みを引き出しながらもエグ味やクセを排除して、豚背脂を利かせながらも動物系の力強さを感じさせない優しいスープに一瞬で引き込まれてしまった。そんなバランス感覚に優れたスープに含まれるとカエシも非常に繊細で、過度な輪郭を与えるわけではないがスープの味がボヤけないようにメリハリを付けている。

待望の自家製麺は製麺室に設置されていた大和製作所の〝リッチメン〟で打たれたストレート細麺で、麺上げまで15秒と博多ラーメンのバリカタにも匹敵する早茹で麺だった。しかしながら高密度のグルテンを感じられる食感の良さは使用されている小麦粉の特徴なのだろうか。製麺室内には日清製粉 特ナンバー1の粉袋が置かれていたので内麦にも劣らない高級外麦で製麺されているようだ。特段に香りが高いわけではないが細麺とは思えない弾力感が食べ応えを強く与えて、喉越しはしなやかに胃袋へと収まっていく。さすがは店主さんが惚れ込んだ小麦粉だけに特徴を完璧に引き出されていると感じた。この麺の美味さが本日の最高到達点かと思われたが、この先には更に驚くべき具材が待っていた。

このあとに食べたチャーシューは、私の豚バラ焼豚の歴史を塗り替えるような素晴らしい仕上がりだった。一枚目のひとくち目を食べた時に、チャーシュー麺にして良かったと心から思える逸品だった。今回は偶然かもしれないが私に切り分けられた部位は、豚バラ肉の中でも脂身の極端に少ない部分が与えられていた。一枚あたりの九割を赤身が占め、残りの一割が脂身という赤身派の私にとっては奇跡のような部位なのだ。その豚バラチャーシューは豚肩ロースのような強い歯応えがありながらも、とろけるような豚バラ肉の脂身も必要最低限にサンドされているので甘みも程よく感じられる。盛り付け直前にはテフロン加工のフライパンで豚脂肪の融点まで、きちんと温め直されていたのが脂身の甘みを感じやすくなっていた理由だろう。そんなダイナミックな食べ応えと、繊細な旨みが同居した豚バラチャーシューが厚切りで5枚も入っているとは圧巻としか言いようがない。これで 700円とは、価格設定も評価の対象外ではあるが実際には驚きが隠せなかった。

メンマは板状のタイプを手仕込みされていて、やや滑りのある質感が特徴的だ。過度な味付けはされず、程よい発酵臭を残した安心感のあるメンマだ。味や香りは印象を残さなかったが、柔らかめでもシャキッとした食感を与えてくれ心地良いアクセントとなっていた。

薬味の玉ねぎはコンカッセほどに大きく刻まれていたが、あえて玉ねぎ本来の甘味や辛味をダイレクトに感じられるように水にさらしたりせず切りっぱなしで添えられてあった。この大きさなので不必要にスープに混じり込んだりしないのも私にとってはありがたかった。

そんなスープの邪魔をしない玉ねぎとは反対に、バラ海苔は終始スープや麺に絡んできて磯の個性を加えてこようとする。ただ香りの弱い海苔だったなのが幸いして、過剰すぎる味変ではなかったが助かった。それでも海苔は板海苔の方が必要な時だけ口に含めるので私の好みにはありがたく、今回のバラ海苔は残念ながら必要性を感じられなかった。

最終的には液面に浮かんだバラ海苔をレンゲの中に回収してから一気に食べて、浮遊物のなくなった純粋なスープだけを両手で丼を傾けて飲み干した。最後は海苔の香りに邪魔される事なくスープの自然な旨みを味わって丼を置いた。

色々とあったがラーメンだけに関すると高評価は必然的で、バラ海苔がなければ大台突破とも思えるような素晴らしいラーメンだった。こんな店が近所にあったら朝から通ってしまいそうで、健康上の観点からは遠くて良かったとも思ってしまった。

満足で店を出るとまだ午前9時を少し回ったばかりで今回の高崎めぐりの番外編の拡大版を更に足を伸ばしてみようかと、コミュニティバスの一日乗車券を握りしめてバス停まで歩いて戻った一杯でした。

投稿 | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

レビューの半分は伊勢崎ナイトじゃないですか!鼻の下伸ばして目的間違えてないですか(笑)
やはりこちらいかれましたか!これで700円はすごいCPですね。チャーは三枚肉じゃなくて肩ロースなのでは?赤身肉と脂の程よい絡みと融点は、納得しますよね。群馬の一泊二日の度は後半にエスカレートして終わりそうにもありませんね!自分もこちら行こうっ!

昭和のBecky! | 2019年7月10日 13:16

ベキさんの言う通り鼻の下が伸びすぎてヒゲを剃るのに小一時間かかります。バラ海苔抜きなら大台を超えるラーメンでしたので、ぜひ行ってみて下さいませ。その時はチャーシューが三枚肉なのを確認してみてください。私も肩ロースかと思ったんですが、変形してはいましたが確かに脂身が層になっているんですよ。本当なんです、信じてくださいw

のらのら | 2019年7月10日 14:28

こんばんは。
やはりこちらでしたね〜。
実は未訪だったりします。
何故ならあまりにも店名にネーミングセンスを感じないので、行く気にならなかったのです笑
確かにCPが抜群にいいですよね〜。
機会あれば行ってみます。

不死身のてっちん♂ | 2019年7月10日 18:42

てっちんさん、こんばんは。ネーミングセンスですよねwうなずけます。今回の高崎めぐりの影響でスパコンのオススメに群馬勢が急浮上してきました!たぶん近々で、グンマーにオジャマーする日が来ると思いマース。

のらのら | 2019年7月10日 21:51