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「豚骨醤油ラーメン ¥820+味玉子 ¥100」@ラーメン猪太の写真平日 曇天 13:20 先客9名 後客1名

〝ニューオープン 探検記〟

本日の常磐線沿線での連食計画も無事に一食目を食べ終えた。午前中は成田線の布佐駅から我孫子経由で柏まで戻ってくると、連食のハーフタイムを取るために駅前の足ツボマッサージで疲れを癒した。するとマッサージ師さんに「暴飲暴食には注意してください」と意味ありげな忠告を受け、疲れを癒すどころか気持ちが滅入ってしまった。しかし〝暴飲暴食暴性〟とは言われなかったので良しと受け止め気を取り直して本日の二食目へと向かう事にした。

ラグビーW杯のオーストラリア代表 オールブラックスのキャンプに湧く柏駅東口から10分ほど歩くと、こちらの紺色の看板が見えてきた。店先には大きな藍染の日除け暖簾が掛けられてあり、全体的に茄子紺で統一された外観となっている。昼のピークタイムを過ぎていたので行列はなく、ガラス越しに店内の空席を確認してから扉を開けた。

店内に入ると入口右手のSHIBAURA製の券売機から本日のお題を品定めするが、多ジャンルなラインナップの中からセオリーに則って左端最上段のボタンと味玉を追加発券した。券売機の横にはラーメン一杯につきライス二杯無料サービスの保温ジャーが置かれてあったが、ラーメンだけに集中する為に遠慮してカウンターに腰を下ろした。

カウンター越しに広めの店内を物色すると、他のラーメン店の厨房設備とは異なる点が随所に見られた。その一番の違いはビビンバコンロを設置されている点で、ガス台の上には複数の土鍋が熱せられている。そのため店主さんは両手にミトンを着用しているので、手先だけを見ればパン屋さんのようでもある。客席は逆L字カウンターとテーブル席も設けられてある店内を本日は三人体制で回している。

三人の持ち場の仕事を淡々とこなす様子を見ている時に、疑問に思う光景を見てしまった。それは後客の中年男性が入口の扉を間違えて反対側を開けてしまい、店内に置かれた傘立てにぶつかってしまったのだ。それに気づいた店主さんは心配するでもなく、笑いながら他のスタッフに目で合図を送っている始末だ。調理中なので客のところに駆け寄るわけにはいかないとしても、入口を間違えた客を笑う事はないのではなかろうか。その光景を見た時に、店側の客に対する思いが伝わってきた。しかし接客面は評価の対象にしない方針なので、店内のテレビに映る夏の高校球児たちの真っ直ぐなプレーに心を置き換えて冷静を取り戻そうとした。ここは甲子園と違ってエアコンの効いている室内でスープ炊きの豚骨臭に包まれながら待っていると、着席して8分で我が杯が到着した。

その姿は先程まで熱々に焼かれていた萬古焼の黒鍋に白い蓋というインパクトのある独自のスタイルで現れ、すかさず店主さんが鍋蓋を取ってくれると土鍋からは真っ白で熱い湯気が立ち昇ってきた。その瞬間に店内にたちこめた豚骨の匂いよりも何倍も濃縮されたスープの匂いが嗅覚だけでなく、顔面全体を襲ってきた。この時ばかりは室内のエアコンも効かないくらいの熱気を感じながら、鍋焼きラーメンならではの景色を眺めながらレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。厨房内では大型の寸胴鍋で豚骨やゲンコツを潰しながらスープが炊かれていて、いかにも濃厚そうに思えるスープだ。土鍋の中では煮えたぎるように泡立っている液面にレンゲを沈めると、思ったほどの粘着質を感じずにスープが注がれてきた。苦手な超濃厚スープではない事に安堵しながらスープを口に含んでみると、味覚よりもスープの熱さがダイレクトに伝わってきた。その熱さが落ち着くと最初に現れたのは醤油ダレの塩気の強さで、高温の中でも感じる味の濃さには一口目だけで放棄したくなるような塩っぱさだった。豚由来のコラーゲンたっぷりなスープ自体には豚骨特有のクセが残っているので、私にとっては塩気と臭みのダブルパンチの苦手な印象ばかりが際立ってしまった。この時点でスープは諦めてレンゲを箸に持ち替えた。

無かん水自家製麺と謳ってあるので実際にはラーメンとカテゴリーからは外れる麺を持ち上げてみると、箸先には色白美人の中細ストレート麺が現れた。美白な麺肌には切刃のエッジがくっきりと残り、長めの形状が特徴的に見える。調理場内に設置された製麺機と茹で麺機の距離が異常に近いので、茹で湯の蒸気が麺の湿度に影響しないのか心配に思いながら麺を口に運んでみる。スープの熱さや麺の長さから一気にすすり上げる事を躊躇していまうので、ゆっくりと口の中へと送り込んだ。するとラーメンでは感じた事のない滑らかな口当たりが唇を通過して、口の中を優雅に舞いながら収まってくる。中華麺では珍しく、布海苔を練りこんであるとウンチクにあるので布海苔効果による独特の口当たりなのだろう。それは新潟の〝へぎそば〟の舌触りに類似するような、オリジナリティあふれる自家製麺には思える。しかし土鍋の加熱効果や、かん水を含まない麺は常に状態が変化し続けているので予断を許さない状況だ。初動でも麺肌には小麦グルテンの粘着質が浮かんできており今後の麺ディションの劣化が心配になってきて食べ急ぎたいものの凄まじいスープの熱さゆえにそれすらも、ままならず麺の状態は変わり続けていく。

具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚型が盛り付けてあるが、やや脂身の多い部位が切り分けられた。と言う事はスジが多くある部分なのでチャーシューの切断面が平面ではなく、筋に引っ張られて波を打っているように見える。見るからに硬そうには見えるが、赤身を好む趣向なのでありがたく思いながら頬張ってみた。豚肩ロースならではの肉々しい歯応えが力強く、赤身の持ち味を十分に感じられる。味付けもスープのようにカエシの塩分が利いてないので豚肉本来の旨みを味わえ、強気なスープの中でも素材の良さを楽しめるチャーシューだ。今の流行りのレアチャーシューにはない、噛みしめるたびに旨みの湧いてくる逸品だと思った。

肉の具材として豚挽肉のそぼろも入っていたが、とにかく味が濃すぎるので更に塩気が強くなってしまった。このミンチならばライスとの相性は抜群のはずで、客人の誰しもが無料ライスを片手にラーメンを食べているのが納得できた。全てがライスありきの味の濃さならば仕方ないが、ライスを必要としない私には手に負えない程の凄まじい塩気にやられた。

追加した味玉だが、店内にメニュー写真がないので基本でも味玉半個が入っていると知らずに追加トッピングしてしまった。結果として一個半も盛り付けてあるという、わんぱくな表情となってしまった。もし店側にゲストファーストの思いがあれば何らかのアナウンスがあって然りだと思うが、どうやら売上至上主義のようで「最初から味玉半個が入ってます」のような案内もなく当たり前のように提供された。しかしながら大好物の味玉なので美味ければ問題ないと食べてみたのだが、残念ながら味玉と呼ぶには程遠い色付きゆで卵だった。さすがに土鍋の中で熱せられているので提供温度の温かさは申し分ないが、そのせいで黄身は硬くなってしまっていた。そんな卵を一個半は食べられずに初めて味玉を残してしまった。

メンマも下処理の段階で戻しすぎたのか煮込み過ぎたのか分からないが、食感のなさと味気のなさで存在感を全くアピール出来ていない。

ウンチクにはコチラのラーメンの真髄でもある、季節によって変わる鮮度にこだわった地元産の野菜類が使われていると書いてあった。その柏産の野菜には本日は小松菜と空芯菜が用いられていたが、小松菜の苦味と食感は強気なスープの中で自然な味わいを与えてくれた。一方の空芯菜は鮮度以前の問題で、噛んだ途端に空芯菜ならではの茎の中から不快な水分があふれてきた。それは茹で麺機の中の茹で湯のような不純物を含んだ水分で、噛むたびに不味い味が口の中に広がった。野菜を茹でるのに茹で麺機を利用するのはいいが、空芯菜には向いていないと思った。

序盤から色んな要素に苦しめられながら食べ進めようと努力したが、八割近くを残してレンゲと箸を置いて席を立った。

偏食傾向の私には弱点ばかりを責められたようなラーメンだったが、周囲を見ると満足そうに楽しんでいる様子も見られた。すでに新天地でも愛されているのが伝わってきながら店を出ると、外の空気が美味しかったのが印象に残った。その空気が一番のご馳走と思えるくらいに店内が臭かったのだろうかと思ってしまった一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

あれ?今回はスープの色言わないのですか?
では、当てようか?
 1.和色辞典を忘れたから
 2.苦手な豚骨醤油だったので
 3.デジタル表現にはかなわないと知ったから

ちょっと!「外の空気が一番のご馳走!」って、塩撒いてこいっ!!

昭和のBecky! | 2019年8月27日 02:25

もう正解は3番でもいいくらいです。本当の理由は、ベキさんにツッコまれないように後で吟味してから書こうと思ってたのに忘れちゃっただけですw

のらのら | 2019年8月27日 09:15